みなかみ地域エネルギーフェスタが、1月24日(土)・25日(日)の二日間、みなかみ町新治地区で開催されました。両日とも天候に恵まれて多数の方々のご参加があり、無事に終了しました。
初日の24日は朝から、「赤谷の森」自然散策があり、13名の参加で、雪の中で暮らす動物たちのフィールドサイン(生活痕)探しや冬芽の観察が行われました。スノーシュー(雪上歩行具)を履いて歩くのは大変でしたが、赤谷の森の生き物のたくましさと雪原の静けさが印象的でした。
午後からは、新治農村環境改善センター大ホールで、エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議代表理事の鈴木梯介氏による講演「生きたお金の使い方で地域を元気に」がありました。「信頼のおける仲間と事業をスタートする」などの鈴木氏のわかりやすいお話は、参加者にとても好評でした。
その後、大ホールでは、映画『第4の革命』の上映と、意見交換会が行われました。
改善センターロビーでは、赤谷プロジェクトと地球温暖化防止活動の取り組みの写真展示と説明、みなかみ地域エネルギー推進協議会の活動紹介、環境にやさしいフリーマーケット(マルシェ)などがあり、賑わいました。
群馬県のマスコット「ぐんまちゃん」が登場し、子どもたちだけでなく大人も大喜びでした。ぐんまちゃんは、特別にみなかみバージョンでの参加でした。
湯宿温泉では、二日間共通の行事として、共同浴場と6つの旅館の温泉無料開放が行われ、改善センターと湯宿温泉街を町役場の電気自動車がシャトル運行しました。
湯宿のお湯は少し熱めですが、体の芯から温まりますね。湯船にず~と浸っていたいと思いました。
夜は湯宿温泉「湯本館」で、「地球温暖化防止と地域活性化」をテーマに徹底討論会が行われました。信州大学准教授の茅野恒秀氏の司会進行で、深夜まで熱い討論が続けられました。
みなかみ地域エネルギー推進協議会の河合進会長から「たくみの里」など観光振興のお話や、同アドバイザーの竹林征雄氏から森林バイオマス使い尽くしのお話、役場のご担当者からまちづくりビジョンや環境・エネルギーなどのお話がありました。
地域資源の棚卸が必要、すばらしい自然を良いままで残したい、地元の参加が課題などの意見もあり、地域資源を活用してみなかみを元気にしようという人々の熱気が十分に感じられました。
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二日目の25日は、朝から町営奥平温泉「遊神館」で、専門医による「温泉を楽しむ入浴法」の講和と健康相談、専門家による腰痛体操などが行われました。
改善センターでは、エコ料理教室「エコまんま」や、親子で楽しむエネルギー工作、ペレットストーブの運転実演と説明が行われました。
「木炭電池」と「十一円電池」を組み立てた親子連れは、通電してミニ風車がまわると歓声をあげていました。身近にある材料で簡単に作れる電池ですが、おおぜいの子どもたちが工作を楽しんでくれて良かったです。
ロビーでは、昨日に続きフリマ・マルシェや写真展示・活動紹介などが行われ、ぐんまちゃんも元気に参加者のお出迎えをしていました。
午前中のホールでは、「温泉を使った地域活性化と二酸化炭素排出抑制」ミニシンポジウムと「二酸化炭素排出抑制」をテーマにしたワークショップが行われました。
午後からは、フェスタのメインイベントともいえる『地域エネルギーと低炭素社会の創造』シンポジウムが開催されました。みなかみ町長の岸良昌氏の「木質バイオマスで山林を元気にしてほしい」のご挨拶などに続き、信州大学准教授の茅野恒秀氏の進行で、講演とパネルディスカッションが行われました。
林野庁森林利用課山村振興・緑化推進室長の今泉裕治氏は、地域がエネルギーを活用する総合力が問われているなどのお話をされました。環境教育コーディネーターの小澤祥司氏のお話は、地域の賢さが問われているなどの内容でした。国立環境研究所主任研究員の大場真氏は、先進国・次世代・他地域への責任などのお話をされました。
各氏からは、低いコストで付加価値を高める必要がある、視察ツアーや「エネルギー+温泉+食」ツアーの受け入れ態勢を整える、地域のつながりが弱っていて人口減少時代は開墾地や人工林が自然に還っていくのは無理からぬこと、事業のプラットフォームを作って継続することが大事、みなかみの力強さに期待したい、などのお話がありました。
会場の参加者との質疑応答も行われました。
最後は、映画『シェーナウの想い』の上映でした。
フェスタは、環境省「地域における草の根活動支援事業」補助金により運営され、みなかみ町新設10周年記念事業として開催されました。
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ホスト役の三名から、ご参加の皆様へメッセージがありました。
「ここからが困難の始まりです。バイオエネルギー活用は暮らしと生業(なりわい)に直結します」(竹林征雄氏)
「エネルギーを作ることは私たちの町をつくることです。一段一段と着実に進めましょう」(茅野恒秀氏)
「3.11後は、みなかみだけでは解決しない問題ゆえ、サケが遡上する赤谷川のイメージに因んで会社名を『りゅういき』と名付けました。エネルギーを一つの牽引車として地域活性化をめざします」(河合純男氏)
フェスタへ参加された方の人数は、二日間で延250名弱でした。地元の一般の方々の参加がもう少し欲しかったところですが、予定されたプログラムを予定通りに実施することができ、大成功だったといえると思います。すべて、講演・シンポジウム・実演などの講師の先生方やご参加の皆様、各担当のスタッフの皆様のおかげであり、町役場のご支援の賜物です。心より深く感謝いたします。
次は、2月10日の東京会場での『地域エネルギーから温暖化を考えよう ― 利根川上流のみなかみ町と下流の都市部をつないで』シンポジウムです。どうぞご参加をお願いいたします。
東京イベントの開催趣旨
■問合せ・連絡先
株式会社りゅういき自然エネルギー
〒379-1414 群馬県利根郡みなかみ町布施742
電話 0278-25-3959 E-mail:minakami@chiikiene.net